【執筆者 澤井悦郎】
川柳は五・七・五の17音のリズムで詠まれる日本の定型詩である。俳句も同じリズムだが、季語を入れる必要があるなど縛りがある。一方、短歌は五・七・五・七・七の31音のリズムと川柳より少し長い。
ここではマンボウをテーマに詠まれた作品を収集する。
マンボウの川柳・俳句
- 涼しさや 波の立居の うきゝ取――時鶏(吉田(1932)に収録)[俳句?]
- 海原や 其夜うきゝに 積る雪――高塵(吉田(1932)に収録)[俳句?]
- はせを葉に ひとしき鰭の うきゝかな――蘆國(吉田(1932)に収録)[俳句?]
これら3句は吉田(1932)の153ページ目に掲載されている。
この時代はマンボウを「うきゝ(うきき)」と呼んでいた。俳句か川柳か私には判断が難しい。
- マンボウの 全種を求め 星巡り――海星夏輝(海星(2017)に収録) [川柳]
マンボウ科の全種を知りたくて調査で世界中を駆け巡りたいという想いを込めた1句。
- マンボウが 面目ないと 身を潜め――白戸寅蔵(朝日川柳 山丘春朗選(2021)に収録)[川柳]
俳句雑誌『翻車魚(まんぼう)』は俳人・佐藤文香氏主宰の年1回発行される同人誌である。
変わった動物好きの佐藤氏から依頼があり、ペンネームで川柳とともにマンボウについてエッセイを寄稿した。注意しなければならないのは、同人誌の名前が翻車魚なだけであって、マンボウに関する俳句が載っている訳ではない。
この同人誌の詳細は「翻車魚ウェブ」にて。
月始めに作品を、月半ばに散文をアップしています。
- マンボウの 鰭は軟条 尾鰭なし――澤井悦郎(澤井 (2017)に収録) [川柳]
- マンボウは 鱗トゲトゲ ヤスリかな――澤井悦郎(澤井 (2017)に収録) [川柳]
- マンボウの 鼻孔は四つ 眼の前に――澤井悦郎(澤井 (2017)に収録) [川柳]
- マンボウの 学名リンネが 名を付けた――澤井悦郎(澤井 (2017)に収録) [川柳]
- 硬骨魚 最重量は ウシマンボウ――澤井悦郎(澤井 (2017)に収録) [川柳]
これらは運営者の著書・澤井 (2017)に収録、一部抜粋。
マンボウに関する各トピックの最後に川柳を載せている。興味ある方は是非著書をご覧あれ。
- まんぼうの 口のくらがり 雪降りぬ――今田保雄 [俳句]
2019年に行われた「第30回『伊藤園お~いお茶 新俳句大賞』一般の部B(40歳以上)」で大賞を受賞された俳句。
解説など詳細はこちら
- まんぼうよ 蔓延防止 コロナ禍で――Snowうぇい [俳句]
2021年4月にSnowうぇいさん(@Snow11611678)がTwitterで投稿した俳句。
投稿の詳細はこちら
- 白米の そばをマンボウ マンボウと――湊圭伍 [川柳]
『そら耳のつづきを』(書肆侃侃房、2021年)に掲載した川柳。
- 新人が問うマンボウのうらおもて――湊圭伍 [川柳]
- マンボウを抱いてオーケストラピット――湊圭伍 [川柳]
- 夜半のマンボウそっと目を閉じて――湊圭伍 [川柳]
- 夢じゃあないよあなたはマンボウです――湊圭伍 [川柳]
2021年9月に海馬@現代川柳さん(@umiumasenryu)がTwitterで投稿した川柳。
投稿の詳細はこちら
引用文献
澤井悦郎.2017.マンボウのひみつ.岩波書店.東京,208pp.
海星夏輝.2017.マンボウ研究と俳句の奇縁.pp. 2-3.In: 佐藤文香・関悦史(編) 『翻車魚』創刊号.翻車魚発行所,東京.
吉田猪太郎(編).1932.うろくづ『魚に関する展覧會』記念錄.大阪市魚市場聯合會編, 濱田正夫.202pp.
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更新履歴
- サイトデザイン一新に伴いリライト(2023年6月23日)
- 湊圭伍さんの川柳を追加(2021年9月23日)
- 更新履歴の表示方法をアコーディオンボックスの仕様を変更(2021年6月27日)
- 白戸寅蔵さんの川柳を追加(2021年4月26日)
- Snowうぇいさんの俳句を追加(2021年4月8日)
- 更新履歴の表示方法をアコーディオン形式に変更(2021年3月25日)
作成日:2020年7月25日 更新日:2023年6月23日